宮古島への移住は、青い海と温暖な気候に惹かれて多くの人が憧れるライフスタイルですが、理想と現実のギャップに悩むケースも少なくありません。移住を考える前に知っておきたいのが「後悔した人たちのリアルな声」。
本記事では、宮古島での生活に潜む「不便さ・デメリット・生活の落とし穴」に焦点を当て、実際に移住経験者が語る注意点を丁寧に解説していきます。
- 「虫が多くて辛い」
- 「物件が見つからない」
- 「仕事が少なく生活が厳しい」
- 「地元の文化に馴染めなかった」
- 「台風や湿気が想像以上に大変」
こうした体験を知ることで、「本当に移住すべきか?」を再考する材料となるはずです。
後悔する?宮古島移住のデメリット
多くの人が一度は憧れる「南の島でのんびり暮らす」というライフスタイル。しかし実際に宮古島へ移住した人たちのなかには、「思っていた生活と違った」と後悔する声も少なくありません。ここでは宮古島生活でよく挙げられるデメリットを解説します。
物価が高い
宮古島は離島のため、生活用品や食料品など多くの商品が本土から運ばれてきます。そのため物流コストがかかり、全体的に物価が高めです。
品目 | 宮古島の価格 | 本土平均価格 |
---|---|---|
牛乳(1L) | 約280円 | 約220円 |
ガソリン(1L) | 約190円 | 約170円 |
玉ねぎ(1kg) | 約400円 | 約250円 |
とくに野菜・果物・日用品は、天候によって価格が変動するため、家計管理がシビアになります。
家賃が高く賃貸の数が少ない
移住希望者が増えた影響で、宮古島の家賃相場は上昇傾向にあります。しかも物件数が少なく、タイミングが悪いと何ヶ月も入居先が見つからないことも。
「物件を探すのに3ヶ月かかりました。築40年でも家賃は7万円超え…。選択肢が少ないのが現実です。」
虫が発生しやすい
南国ならではの悩みが「虫の多さ」。特に湿気が多い季節は、ゴキブリ・シロアリ・ムカデなどが室内に侵入しやすくなります。
- ゴキブリが昼間から出る
- ムカデが布団に潜むことも
- 網戸をしてもヤモリやクモが侵入
虫が苦手な人にとっては、精神的ストレスの原因となりやすいポイントです。
台風が直撃しやすい
宮古島は台風銀座とも呼ばれる地域に位置しており、毎年のように大型台風が接近します。風速50mを超える暴風は屋根を飛ばすほどの威力で、停電・断水・食料不足などのリスクも高まります。
・懐中電灯、電池の常備
・飲料水・食料は1週間分
・車のガソリンは常に満タン
・スマホ充電用バッテリーの確保
多湿で過ごしにくい
宮古島は年間を通して湿度が高く、特に梅雨~夏場は80%以上の湿度が続きます。家の中にカビが発生しやすく、エアコンと除湿器が手放せません。
宮古島移住のメリット(魅力)
ここまでデメリットを紹介しましたが、もちろん宮古島には多くの魅力もあります。ここでは「移住してよかった」と感じる人が挙げる主なメリットを解説します。
毎日リゾート気分を味わえる
観光客が訪れるような美しいビーチがすぐそばにある環境で、海を眺めながらの生活が日常になります。
- 平良港・与那覇前浜ビーチが近い
- 仕事帰りに夕日を眺める習慣
- SUP・シュノーケリングなどが日常
自然が身近にあることで、ストレス軽減や癒やし効果も高いと言われています。
子育てしやすい環境
宮古島は地域コミュニティがしっかりしており、子どもを地域全体で育てる風土が残っています。
また、自然の中でのびのび育てられる点や、交通渋滞が少ない点も子育て世代にとっては安心材料です。
花粉症でも快適に過ごせる
スギ・ヒノキの林がほとんどないため、本土で花粉症に苦しんでいた人にとっては、「春の天国」とも言える快適な気候です。
「東京では薬が手放せなかったのに、宮古島では一切症状が出ない!春が怖くなくなった」
移住3年の壁/移住失敗する理由
宮古島に限らず、地方移住には「3年の壁」と呼ばれる現象があります。これは、移住から3年以内に離島・Uターンする人が多いという現実に基づく言葉です。
「移住せずに転職しておけばよかった」
本土での仕事に疲れ、癒やしを求めて宮古島に来たものの、実際の生活は意外とタフで「仕事環境も人間関係も厳しかった」と後悔する人もいます。
環境を変えることで人生が好転することもありますが、単なる逃避や気分転換目的では、定着が難しいケースが多いです。
移住3年以内に辞める人が多い
総務省や地方自治体の報告書でも、移住者の約4割が3年以内に離島しているというデータがあります。
・理想と現実のギャップ
・収入の不安定さ
・人間関係の閉鎖性
・医療体制の不安
・自然災害の不安
仕事・給料・人間関係の問題
島内の求人は限られており、職種の選択肢が少ない上に給料が本土より2〜3割低いのが現状です。加えて、人間関係の距離感が近すぎてストレスになるケースも。
- プライベートが筒抜けになりやすい
- 職場内での関係が固定化しがち
- 知り合いの紹介で職を得る風土も
人間関係に適応できないと、孤立感が強まりやすくなります。
仕事・収入の現実と注意点
移住前に最もチェックすべきポイントが「仕事」と「収入」です。宮古島には観光業・建設業・医療・教育関連の仕事が多く見られますが、いずれも本土と比べて低賃金である点に注意が必要です。
給料が安く東京の約2/3程度
たとえば、東京で月収30万円の職種が宮古島では20万円程度しか得られないことも。物価が高い上に収入が下がるため、貯蓄が難しい生活になることもあります。
職種 | 東京平均月収 | 宮古島平均月収 |
---|---|---|
接客業 | 25万円 | 17万円 |
事務職 | 28万円 | 19万円 |
建設業 | 32万円 | 21万円 |
島外系企業 vs 地元企業
島外から進出した企業では比較的高待遇なケースもありますが、長期雇用ではない契約職が多かったり、勤務地が流動的だったりするため安定性に欠けることも。
一方、地元企業では雇用は安定しているものの、昇給・賞与などは控えめで、生活に余裕を持たせるには副業なども検討が必要です。
人手不足だが職種選びが重要
観光需要に支えられているため、繁忙期は求人が増えますが、オフシーズンは人員削減される職場も。正社員での採用枠が少ないという声も多く聞かれます。
「短期バイトばかりで生活が安定しない。副業でWeb制作などを始めてようやく生活できるようになった」
ITスキルやリモートワークができる人は、島内外の仕事をハイブリッドで進めることで収入を安定させている傾向もあります。
物件・住まい探しの苦労
宮古島での移住において、大きなハードルのひとつが「住まいの確保」です。特に引越しシーズンや観光ハイシーズンになると、賃貸物件は一気に埋まってしまいます。
空き物件が少なく競争率が高い
移住ブームが続いており、物件情報は出た瞬間に埋まることも珍しくありません。インターネットでの情報公開よりも、地元ネットワークで紹介される物件が多いのが実情です。
そのため、現地の不動産屋と信頼関係を築くことが最重要ポイントとなります。
古い物件が多く選べない
宮古島では新築物件が限られており、築30年以上の古い木造住宅が主流です。台風への備えも考慮すると、家選びには慎重さが求められます。
・雨漏りやシロアリ被害の有無
・風通しと湿気対策
・避難場所との距離確認
先祖の仏壇問題で貸せない物件も
沖縄独自の文化として、先祖の位牌や仏壇を置くスペースを「トートーメー」と呼びます。その仏壇がある家は貸し出されないことが多く、見た目が空き家でも入居できないケースもあります。
文化や風習への理解を深めた上で物件探しを行いましょう。
宮古島ならではの自然・気候ストレス
南国の美しい自然は確かに魅力的ですが、それと同時に、移住者にとっては生活の不便さやストレスとなる要素も多くあります。
台風が多く備えが必要
宮古島では年間で複数回、台風が接近または直撃します。台風に備えた家の作りや物資の備蓄が必要で、災害に慣れていない人にはストレスになることも。
- シャッター付き物件が望ましい
- 雨戸・ブルーシート常備
- 非常食と水は常に用意
風雨による浸水、家屋への被害、交通網の麻痺などが日常的に起こり得ます。
高温多湿でカビ・虫対策が必須
湿度の高さはカビやダニの温床となり、家具・衣類・家電製品への影響も避けられません。
除湿器の使用やこまめな掃除、エアコンのメンテナンスは欠かせず、家計にも負担となります。
紫外線・硬水・路上環境にも注意
宮古島の日差しは本土よりも2~3倍の紫外線が降り注ぎます。長時間外出すると、肌だけでなく家の外壁や車の劣化も早まります。
また、水道水は硬水であるため、電気ポットや給湯器にカルキがたまりやすいという問題も。
さらに、砂や潮風により車のサビが早く進行するため、車のメンテナンス頻度も本土以上になります。
「3年で車の下回りがサビだらけになりました。屋根付き駐車場の大切さを痛感しています。」
まとめ
宮古島は間違いなく美しい場所であり、非日常のような日常を味わえる魅力的な島です。しかし、移住とは「旅行」ではなく「生活」。そこには覚悟と準備が必要です。
今回紹介したような「後悔しがちなポイント」を事前に理解し、対策を講じた上で移住計画を立てれば、後悔のリスクは確実に減ります。
ポイントを整理すると以下の通りです:
- 生活費・収入の差に気をつける
- 住まい探しは早めに行動
- 気候への対策を準備
- 地元文化と人間関係の理解を深める
「宮古島に移住してよかった」と思えるよう、現実をしっかり見据えて一歩を踏み出しましょう。