「ダイビングを始めたいけれど、CMASとPADIって何が違うの?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、世界的なダイビングライセンスの2大巨頭「CMAS」と「PADI」の違いを徹底比較します。
- 資格体系の構造や講習の進み方
- 料金や所要時間の違い
- 世界・日本での通用度やサポート体制
それぞれの組織が持つ特色を解説しながら、「どちらが自分に合っているのか」を判断できるよう、初心者目線でもわかりやすくまとめました。
ライセンス取得の第一歩を踏み出すための道しるべとして、ぜひ最後までご覧ください。
CMASとPADIの違いを徹底比較
ダイビングライセンスを取得しようとしたとき、多くの人が最初に直面する疑問が「CMASとPADIって何が違うの?」という点です。どちらも世界的に知られる認定団体であるため、その選択はライセンス取得後のダイビングライフに大きな影響を与えます。
資格体系の違い
CMASは「Confédération Mondiale des Activités Subaquatiques(世界水中活動連盟)」の略で、フランスを中心とするヨーロッパ系の伝統的な資格体系を持ちます。一方、PADI(Professional Association of Diving Instructors)はアメリカ発祥で、より実用的かつ商業的に整備された段階的カリキュラムを採用しています。
団体 | 初級資格 | 上級資格 | 指導者資格 |
---|---|---|---|
CMAS | CMAS One Star Diver | Two/Three Star Diver | Instructor |
PADI | Open Water Diver | Advanced/Rescue Diver | Instructor |
講習のスタイルと日数
PADIは「簡単・短時間・効率的」な講習スタイルで知られ、理論部分もeラーニングなどで柔軟に対応できます。CMASは伝統的な方式で、より厳密な水中技術・安全知識の習得が求められます。
- PADI:講習期間は2〜3日が主流
- CMAS:平均4〜5日程度、実技重視
費用の比較
費用については地域やショップにより異なりますが、傾向としてPADIは短期間で完結する分、コストパフォーマンスが高いとされることが多いです。CMASは長期間の講習が前提になるため、若干高めの価格設定になることがあります。
例:PADIは3万円台から、CMASは4〜5万円台が目安
世界的な認知度
認知度に関しては、PADIの方が世界中にダイビングセンターを展開しており、100カ国以上に対応施設があります。CMASは国家主導で活動する団体が多く、ヨーロッパや南米などに強い基盤があります。
- PADI:世界中のリゾートで通用しやすい
- CMAS:特定国での国家資格としての扱いも
日本国内での主な取り扱い先
日本国内では、PADIを取り扱うショップの方が圧倒的に多く、都市部や観光地でも見かける機会が多いです。CMASは地域密着型のスクールや大学・クラブ系の活動で多く取り入れられています。
例:都市型ダイビングスクール=PADI中心/大学ダイビング部=CMAS中心
CMASの特徴とメリット
ここではCMASにフォーカスを当て、どのような特徴があるのか、またどんな人におすすめなのかを具体的に解説します。
CMASの歴史と背景
CMASは1959年に創設された、国際的な水中活動の統括団体です。設立には有名な海洋探検家ジャック=イヴ・クストーも関与しており、学術的・探検的な要素を色濃く持つ団体です。
科学ダイビングや水中考古学、環境保護活動などにも積極的
CMASのライセンス階層
CMASは★(スター)制度による明確なステップアップ形式を採用しており、各段階で求められる技術や知識レベルが明確です。日本国内でも一部のスクールではこのシステムが高評価を得ています。
- One Star Diver:基礎をしっかり学ぶ
- Two Star Diver:中級スキル、深場対応
- Three Star Diver:インストラクターと並ぶ知識
CMAS講習の難易度と流れ
CMASは比較的厳格な技術訓練を含むため、基礎力がしっかりと身に付きます。水中マスク脱着や緊急浮上訓練など、現実のトラブルに強くなる訓練が多く含まれます。
「安全を最優先した本格的講習を受けたい人」に適している
講習は通常4日以上で、理論→限定水域→オープンウォーターという流れが基本です。
PADIの特徴とメリット
PADIは世界最大のダイビング教育機関であり、グローバルでの認知度やライセンス保有者数が群を抜いています。商業的な展開が巧みで、観光地のほとんどで対応可能な利便性が魅力です。
PADIの認知度と加盟店数
世界でおよそ6,600以上のダイブセンターとリゾート、13万名以上のプロフェッショナルが登録しているという規模感がPADIの強みです。
旅行先でのファンダイブやライセンス継続が圧倒的にしやすい
- 対応国数:180カ国以上
- 提携ショップ数:国内でも約800以上
PADI講習のスタイルと柔軟性
eラーニング導入により、学科講習は自宅で完了できるため、多忙な社会人でも負担が少なく講習を進められます。実技はインストラクターとマンツーマンに近い少人数制で実施することが多く、質問しやすい環境が整っています。
短期間・集中型の講習は「時短派」や「旅行中の取得」にも最適
ライセンス取得後の活用シーン
PADIのライセンスは世界中のリゾートやダイビングスポットで広く通用します。さらに、ステップアッププログラムが明確で、継続して技術を磨ける点も好評価です。
- アドバンス、レスキュー、マスターダイバーへの昇格が明確
- PADIログブックを使った記録が世界中で統一
- インストラクター資格も多様な道から取得可能
世界での通用度とダイバー評価
資格を取得するうえで「世界で通じるかどうか」は大きな選択基準です。ここでは両者の世界的な評価や通用度の違いを明確に解説します。
各国での認知状況
PADIは観光地・リゾート地を中心に、ほぼすべての主要ダイビングエリアで対応可能なグローバルスタンダードとなっています。一方、CMASは政府認定資格として扱われる国もあり、アカデミックな用途で強い力を発揮します。
国 | PADI認知度 | CMAS認知度 |
---|---|---|
アメリカ・カナダ | 非常に高い | 普通 |
フランス・イタリア | 中程度 | 非常に高い |
東南アジア | 非常に高い | 低い |
中南米 | 高い | 高い |
旅行・移住先での使いやすさ
海外移住や世界一周などを検討している人にとっては、「どこでも使える」ことが非常に重要です。その点で、PADIはライセンスカード1枚で世界中のサービスを受けられる利便性があります。
PADIは特にアジア圏・オセアニア・カリブ海諸国で優位
ダイバーからの口コミ・評価
口コミでは、PADIは「講習が楽でわかりやすい」「旅先で使える」といった声が多く、CMASは「厳しかったけど自信がついた」「安全性に重きを置いていて信頼できる」との評価があります。
- PADI:初心者でもストレスなく進めやすい
- CMAS:実技重視で達成感が高い
初心者が選ぶべき指標とは
初めてダイビングに挑戦する人にとっては、「どちらの団体が自分に合っているか?」という観点が非常に重要です。CMASもPADIも優れたカリキュラムと実績を持っていますが、講習スタイルや取得後の活用方法には違いがあります。
学びやすさ・講習スタイル
PADIの最大の特長は、eラーニングや短期集中講座によって、働きながらでも取得できる柔軟性です。一方CMASは、現場実習の時間をしっかり取り、安全性や技術を重視するスタイルです。
- 手軽に進めたい→PADI
- じっくりしっかり学びたい→CMAS
取得後の活用場面
国内でファンダイビングを楽しむなら、どちらでも大きな問題はありません。ただし海外リゾートでの活用や、今後ステップアップを目指す場合は、通用度やネットワークの広さがカギになります。
海外利用頻度が高い人は、PADIの方が利便性が高い傾向
国内でのサポート体制
日本国内においては、PADIショップの数がCMASの倍以上あると言われています。そのため、アフターサポートやステップアップの相談がしやすい点も初心者にとって大きなメリットです。
団体 | 登録店舗数 | 主な対応地域 |
---|---|---|
PADI | 約800以上 | 全国の観光地・都市部 |
CMAS | 約300前後 | 大学・地域密着型スクール |
どちらを選ぶべきかの結論
ここまでCMASとPADIの特徴を詳細に見てきましたが、最終的な選択は「自分の目的」と「求めるスタイル」によって異なります。以下のポイントを確認し、自分に合った選択をしてみましょう。
こんな人はCMAS向き
- 安全重視で本格的に学びたい
- 大学・クラブ活動で取得する予定がある
- ヨーロッパ圏や公的機関との連携を重視したい
こんな人はPADI向き
- 短期間・手軽に取得したい
- 旅行中に講習を受けたい
- 海外リゾートでのダイビングを重視している
最終的な選択ポイント
どちらが優れているというよりも、「どちらが自分の目的に合っているか」が最重要です。長期的にスキルを磨きたいのか、まずは体験的に楽しみたいのか。自分自身のスタイルをしっかり把握することが最良の選択につながります。
ライセンス選びは、あなたの海との付き合い方を左右する重要な第一歩です。
まとめ
CMASとPADI、どちらも世界中で認められている信頼のダイビング団体です。
ただし、以下の点を踏まえて選ぶことで、後悔のないライセンス取得が叶います。
- 理論的・ステップ重視:CMAS
- 柔軟性・手軽さ重視:PADI
- 海外活用や旅行先での利便性を重視:PADI優勢
- 講習スタイルや教官との相性も重要
ライセンス取得は、単なる資格以上に「人生の新しい扉を開く第一歩」です。
自分の目的や将来のスタイルに合った認定団体を選び、素晴らしいダイビングライフを始めましょう。