沖縄の青い海や国際通りの賑わいも素晴らしいですが、何度も沖縄を訪れていると「もっとディープな場所に行きたい」「観光客向けではない、生の沖縄を感じたい」と思うことはありませんか。ガイドブックには決して大きく掲載されることのない、しかし一部のマニアや地元民の間で強烈な存在感を放ち続けている場所があります。それが通称「ベトナム通り」です。
そこは、まるで戦後の闇市や東南アジアの路地裏に迷い込んだかのような、混沌としたエネルギーに満ちています。米軍基地のフェンス沿いに広がるその場所では、錆びついた工具から出所不明のミリタリーグッズ、見たことのない野菜まで、あらゆるものが路上で売買されています。整理整頓されたショッピングモールとは対極にある、埃と油と活気が混じり合う空間です。
この記事では、沖縄の裏観光スポットとして密かに注目を集める「ベトナム通り(白川フリーマーケット)」について、実際に訪れるための具体的な情報と、楽しむためのマナーを徹底的に解説します。
- Googleマップでも見つけにくい正確な場所とアクセス方法
- 早起き必須?開催されている曜日と狙い目の時間帯
- 何が売られているのか?怪しい商品のラインナップ実例
- トラブルを避けるために知っておくべき独自のルールとマナー
- 周辺にある立ち寄りスポットと効率的な回り方
沖縄のディープスポット「ベトナム通り」とは?
沖縄県沖縄市の北部に位置する、米軍基地と隣接したエリアに、週末になると突如として現れる不思議なマーケットがあります。地元の人々や一部の通な観光客からは「ベトナム通り」と呼ばれ親しまれていますが、公的な観光ガイドにはほとんど情報が出てきません。まずは、この謎多きスポットの基本情報と、なぜそのように呼ばれるようになったのか、その背景にあるストーリーを紐解いていきましょう。
正式名称は「白川フリーマーケット」
通称「ベトナム通り」として知られていますが、このフリーマーケットには一応の呼び名として「白川(しらかわ)フリーマーケット」という名称が存在します。これは、開催場所が沖縄市の「白川」という地域(正確には知花や倉敷といった住所にまたがるエリア)に近いことや、近隣の軍用地跡地に関連する名称から来ています。しかし、現地で看板が掲げられているわけでも、主催者が高らかに宣伝しているわけでもありません。
場所は、沖縄市の北端、うるま市との境界に近いエリアです。具体的には、米軍基地「キャンプ・シールズ」の裏手にあたり、広大な敷地を持つ「東南植物楽園」からもほど近い場所に位置しています。道路の両脇、あるいは広場のようなスペースに、出店者が思い思いに車を停め、その前で商品を広げるスタイルが定着しています。行政が主導して整備された道の駅や公設市場とは全く異なり、自然発生的に生まれたマーケットであるという点が最大の特徴です。
この場所は、地理的にも非常に特殊な環境にあります。米軍基地のフェンスがすぐ横に迫り、頭上を戦闘機が飛ぶこともあるような場所です。そうした「基地の門前町」としての側面と、地元の人々の生活の場が入り混じる境界線上に存在していることが、このマーケットに独特の空気感を与えています。初めて訪れる人は、ナビ通りに進んでも「本当にこんな場所にあるのか?」と不安になるような、細い道や殺風景な景色の中にそれは突然現れます。
なぜ「ベトナム通り」と呼ばれるのか?
「ベトナム通り」という名前の由来には諸説あり、どれが正解と断定することは難しいのが現状です。しかし、最も有力で広く語られている説は、その場の雰囲気が「ベトナムの市場(マーケット)のように混沌としているから」というものです。道路沿いに無秩序に店が並び、商品が地面に直置きされ、人々が値段交渉をする光景は、確かに東南アジアのストリートマーケットを彷彿とさせます。
もう一つの説として、歴史的な背景を指摘する声もあります。ベトナム戦争当時、沖縄は米軍の最重要拠点であり、多くの物資や兵士が行き来していました。当時、基地から流出した物資や、兵士たちが持ち込んだ品々がこの周辺で売買されており、その活気や猥雑さがベトナムの戦時下の市場と重なった、あるいはベトナム帰りの兵士が多く集まっていたことからそう呼ばれた、という話です。
実際に、かつてこの場所では現在よりもさらに怪しげなものが売られていたという噂も絶えません。米軍のレーション(戦闘糧食)や、本来市場に出回るはずのない軍用品が山積みにされていた時代があったと言われています。そうした「ブラックマーケット」的な歴史の記憶が、現在も「ベトナム通り」という呼び名の中に色濃く残っているのかもしれません。単なる愛称以上の、沖縄の戦後史を感じさせるネーミングだと言えます。
「闇市」のような独特の雰囲気
ベトナム通りに足を踏み入れると、まず圧倒されるのがその視覚的な情報量の多さと、漂う「闇市」感です。綺麗に陳列された棚や、定価が書かれたプライスタグといったものはほとんど存在しません。ブルーシートの上に無造作に放り出された衣服、段ボール箱に詰め込まれた食器、地面に直接並べられた工具類など、商品の扱いには一切の遠慮がありません。
出店している人々もまた個性的です。日焼けした地元のおじいやおばあ、作業着姿の男性、日本語ではない言葉を話す外国人などが入り混じっています。飛び交う言葉もウチナーグチ(沖縄方言)だけでなく、英語、タガログ語、スペイン語などが聞こえてくることがあり、まさに多国籍で無国籍な空間が広がっています。店主と客が値段交渉をする声や、知り合い同士のゆんたく(お喋り)があちこちから聞こえ、活気に満ち溢れています。
この場所には、現代の日本が失ってしまった昭和のエネルギーが保存されているようにも感じられます。洗練されていないからこそ、掘り出し物を見つけた時の喜びはひとしおです。「何に使うか分からないけれど、なんだか凄いもの」が売られている光景は、眺めているだけでも飽きることがありません。観光地化された綺麗な沖縄ではなく、生活の匂いと逞しさが充満する、生の沖縄を体感できる貴重な場所です。
観光客でも行って大丈夫?
「闇市」「怪しい」といった言葉を聞くと、一般の観光客は近づかない方が良いのではないかと不安になるかもしれません。しかし、結論から言えば、観光客が訪れても基本的には問題ありません。実際、近年ではSNSやブログなどで情報が広まり、レンタカーで訪れる観光客の姿もちらほら見かけるようになりました。凶悪な犯罪に巻き込まれるような危険地帯というわけではないので、過度な心配は不要です。
ただし、ここはあくまで「観光地」ではなく、地元の人々の生活の一部であり、商売の場であることを理解しておく必要があります。「お客様」として手厚いサービスを受けられる場所ではありません。店主によっては愛想がなかったり、ぶっきらぼうな対応をされたりすることもありますが、それは悪意があるわけではなく、そういうスタイルなのです。郷に入っては郷に従う姿勢が求められます。
また、治安が悪いわけではありませんが、最低限の注意は必要です。スリや置き引きに気をつける、不用意にトラブルになりそうな言動は避けるといった、海外旅行に行く時のような心構えでいると良いでしょう。地元の人々の邪魔にならないように配慮し、謙虚な気持ちで散策すれば、沖縄のディープな魅力を安全に楽しむことができます。
開催日時とベストな訪問時間
ベトナム通り(白川フリーマーケット)を訪れる際に最も重要なのが、開催日時と訪問時間のタイミングです。ここは常設の店舗ではなく、週末だけ出現するマーケットだからです。基本的には**毎週土曜日と日曜日**に開催されています。平日に訪れても、ただの静かな道路があるだけで、あの熱気を感じることはできません。
時間帯については、**朝が勝負**です。多くの出店者は朝の7時頃から店を広げ始め、8時から10時頃にかけてピークを迎えます。お昼を過ぎると徐々に店じまいを始める店が増え、午後2時や3時になるとほとんどの店が撤収してしまうこともあります。特に良い商品は早い時間に売れてしまうため、掘り出し物を探したいのであれば、朝8時〜9時には現地に到着しておくことを強くおすすめします。
また、天候にも大きく左右されます。屋根のある施設ではないため、雨天の場合は出店数が激減するか、開催自体が見送られることがほとんどです。台風の接近時などはもちろんやっていません。週末の天気予報を確認し、晴れた日の午前中を狙って計画を立てるのが、ベトナム通りを最大限に楽しむための鉄則です。早起きして朝のドライブがてら立ち寄るのが、通の楽しみ方と言えるでしょう。
何が売っている?カオスな市場を探索
ベトナム通りの最大の魅力は、なんといってもその取扱商品のカオスさにあります。「誰が買うんだ?」と思わず突っ込みたくなるようなガラクタから、マニア垂涎のヴィンテージ品、さらには日々の食卓に上る野菜まで、ありとあらゆるものが混在しています。ここでは、カテゴリー別にその驚きのラインナップを紹介していきます。
米軍払い下げ品・ミリタリーグッズ
沖縄のフリーマーケットならではの商品として、米軍払い下げ品(サープラス)の充実度は見逃せません。ベトナム通りは基地のすぐ裏手という立地もあり、本格的なミリタリーグッズが多数並んでいます。迷彩服(BDU)やコンバットブーツはもちろん、バックパック、ポーチ、水筒、ヘルメットなど、サバイバルゲーム愛好家やミリタリーファンにとっては宝の山のような場所です。
特筆すべきは、その状態と価格です。市内のミリタリーショップで買うよりも格安で手に入ることが多く、中には「放出品」としてそのまま流れてきたような、使用感たっぷりの実物品も混ざっています。使い込まれた質感が好きな人にはたまりませんが、汚れや破れがある場合もあるので、購入前のチェックは必須です。時には、米軍基地内で使われていたと思われる家具や雑貨、看板などが出品されていることもあります。
また、弾薬箱(アンモボックス)などの収納グッズも人気です。頑丈で無骨なデザインは、ガレージやキャンプでの収納用としてキャンパーやDIY好きから注目されています。ただし、これらは常に同じものがあるわけではなく、その時々の「出会い」が全てです。一期一会の出会いを求めて、山積みの商品の中から自分だけの宝物を探し出す作業は、ベトナム通りならではの醍醐味と言えるでしょう。
工具・家電・ジャンク品
ベトナム通りを歩いていると、やたらと目につくのが工具類の山です。錆びついたスパナ、持ち手が油で黒ずんだハンマー、年代物の電動ドリルなどが、ブルーシートの上に無造作に転がっています。「これ、本当に使えるの?」と疑いたくなるようなものも多いですが、プロの職人やDIY上級者が部品取りや修理前提で購入していく姿が見られます。
家電製品や電子機器も多く見られますが、これらはいわゆる「ジャンク品」としての扱いが主です。古いラジカセ、コードのない掃除機、型落ちのパソコン周辺機器、謎のケーブル類など、動作保証は一切ありません。中には昭和レトロな扇風機やトースターなど、インテリアとして価値がありそうなヴィンテージ家電が混ざっていることもあり、レトロ好きには見逃せないコーナーとなっています。
さらに、「何に使うのか全く不明な金属部品」や「巨大な業務用の何かの一部」といった、用途不明のアイテムも多数存在します。これらを眺めながら「これは一体どこのパーツだろう?」と想像を巡らせるのも楽しみ方の一つです。洗練されたリサイクルショップでは絶対に出会えない、剥き出しの物質感がそこにはあります。実用性を求めるのではなく、モノとしての面白さを楽しめる人に向いているカテゴリーです。
謎の食品・野菜・惣菜
ベトナム通りはガラクタばかりではありません。実は、地元の人々の台所としての機能も果たしており、食品類も豊富に売られています。特に野菜や果物は、スーパーでは見かけないような珍しい種類や、形は不揃いですが新鮮で安いものが手に入ります。農家のおばあちゃんが直接持ち込んだ野菜や、家庭菜園の延長で売られているような素朴な野菜たちは、味が濃くて美味しいと評判です。
また、東南アジアや南米出身の出店者も多いため、日本では珍しい輸入食材や調味料が見つかることもあります。見たことのないラベルの缶詰や、スパイスの香りが漂う謎の惣菜など、食の冒険を楽しみたい人には興味深いエリアです。手作りの揚げ物や、アメリカンなサイズのケーキやお菓子が売られていることもあり、食べ歩きまではいかずとも、見ているだけでお腹が空いてくるような活気があります。
ただし、食品衛生上の管理はあくまで露店レベルですので、購入や実食は自己責任となります。夏場などは特に注意が必要ですが、そうしたリスクも含めて「アジアの屋台」のような感覚で楽しめる人には魅力的です。地元のおじいたちがビール片手につまんでいる惣菜が、実は絶品だったりすることもあるのが、このマーケットの奥深いところです。
アクセスと駐車場情報の完全ガイド
ベトナム通りへの訪問で最もハードルが高いのが、その「場所のわかりにくさ」と「駐車場問題」です。住所で検索してもピンポイントで出てこないことが多く、現地の看板も不十分です。ここでは、迷わずにたどり着くためのアクセス方法と、車社会の沖縄で必須となる駐車場の事情について詳しく解説します。
那覇・高速道路からのアクセス
那覇方面からアクセスする場合、沖縄自動車道を利用するのが最もスムーズです。最寄りのインターチェンジは「沖縄北(おきなわきた)IC」です。高速を降りたら、国道329号線を北上(名護・うるま方面)します。そこから「倉敷(くらしき)」や「知花(ちばな)」方面へ向かう県道に入っていくのですが、ここからの道順が少し複雑です。
目指すべき方向としては、米軍基地「キャンプ・シールズ」と「東南植物楽園」の間あたりです。ナビを設定する場合は、一旦「東南植物楽園」を目的地に設定し、その近くまで来てから地図を確認して裏手の道に入るとわかりやすいかもしれません。あるいは、「知花ゴルフコース」を目印にするのも有効です。知花ゴルフコースの入り口付近から、基地のフェンス沿いに続く道を進んでいくと、車や人が集まっているエリアが見えてきます。
道中は道幅が狭い箇所や、見通しの悪いカーブもあるため、運転には十分注意してください。特に週末の朝は、フリーマーケットへ向かう地元の車で混雑することがあります。ナビが示す道が極端に細い農道のような場合もあるので、不安な場合は大通りに近いルートを選んで近づくのが無難です。迷ったら、近くのコンビニなどで地元の人に「白川のフリマはどこですか?」と聞くのが一番早い解決策かもしれません。
わかりにくい場所の目印
現地に近づいたことを確信できるいくつかの目印があります。一つは、米軍基地のゲートやフェンスです。高いフェンスの向こうに芝生や軍事施設が見え始めたら、エリアに入っています。また、路上駐車の列が見え始めたら、そこがベトナム通りの入り口である可能性が高いです。
具体的な建物としては、「キャンプ・シールズ消防署」が近くにあります。この消防署の脇道を入っていくルートがよく知られています。また、少し離れていますが「倉敷ダム」への案内標識も目印になります。倉敷ダム方面へ向かう道の途中で、賑わっている脇道があれば、そこが会場です。
初めて行く場合は、Googleマップの航空写真を活用するのも手です。緑色のゴルフ場(知花ゴルフコース)や基地の敷地と、一般道の境界線をたどっていくと、車が密集している場所が見つかるかもしれません(撮影時期によりますが)。とにかく「基地の裏」「植物園の裏」という位置関係を頭に入れておくことが、迷子にならないためのポイントです。
駐車場と路駐問題について
ベトナム通りを訪れる際に最も注意しなければならないのが、駐車場の問題です。結論から言うと、このフリーマーケットには**公式の来客用駐車場は存在しません**。これは、このマーケットが自然発生的なものであり、正式なイベント会場ではないためです。
現状では、多くの来場者が道路の路側帯や、空きスペースに路上駐車をしているのが実情です。週末になると、会場となる通りの路肩にはずらりと車が並びます。しかし、これは決して推奨される行為ではなく、通行の妨げになったり、近隣住民の迷惑になったりする可能性があります。警察の取り締まりが行われることもゼロではありません。
訪問する際は、できるだけ交通の邪魔にならない広い場所を探して停めるか、あるいは誰かに送迎してもらうのが理想的です。もし車を停める場合は、他の車の通行を絶対に妨げないよう、最大限の配慮をしてください。また、車上荒らしなどのリスクも考慮し、車内に貴重品を残さないようにしましょう。この「駐車場がない」という不便さも、ディープスポットゆえのハードルの一つとして理解しておく必要があります。
訪問時の注意点とマナー
ベトナム通りは観光地化されていないローカルな場所だからこそ、独自のルールや暗黙のマナーが存在します。知らずに振る舞うとトラブルの原因になったり、自分自身が嫌な思いをしたりすることになりかねません。ここでは、お互いに気持ちよく過ごすための重要なポイントをまとめました。
写真撮影には細心の注意を
最近の観光スポットでは写真撮影が当たり前になっていますが、ベトナム通りでは少し事情が異なります。ここでは写真撮影を嫌がる出店者や客が少なからず存在します。特に、米軍払い下げ品やブランド品(真贋不明なもの含む)を扱っている店では、商品を勝手に撮られることを警戒する傾向があります。また、プライバシー意識の高い地元の人も多いため、無断でカメラを向けるのはマナー違反です。
写真を撮りたい場合は、必ず店主に「写真を撮ってもいいですか?」と一言声をかけるようにしましょう。笑顔でOKしてくれる人もいれば、手でバツを作って断る人もいます。断られたら素直に諦め、隠し撮りなどは絶対にしないこと。人物が写り込まないように配慮し、あくまで風景や購入した商品の記録として撮影する程度に留めるのが賢明です。
SNSへのアップロードも慎重に行うべきです。特定の個人が識別できるような写真や、店の場所や商品を詳細に晒すような投稿は、思わぬトラブルを招く可能性があります。「ここはデリケートな場所である」という意識を持って、カメラのレンズではなく、自分の目で見て楽しむことに比重を置くことをおすすめします。
偽ブランド品や動かない家電に注意
フリーマーケットの宿命とも言えますが、売られている商品の品質は玉石混交です。中には有名ブランドのロゴが入ったバッグや時計などが格安で売られていることがありますが、これらが本物である保証はどこにもありません。偽物(コピー商品)が混ざっている可能性も否定できないため、購入は慎重に行う必要があります。
また、家電製品や時計、カメラなどの機械類に関しては、「動かない(ジャンク品)」であることを前提に考えるくらいのスタンスが良いでしょう。「動くよ」と言われて買っても、家に帰って試したら動かなかった、という話はよくあります。しかし、ここではレシートもなければ保証書もなく、返品や返金に応じてもらうことはほぼ不可能です。
これらの買い物はすべて「自己責任」のゲームです。失敗しても笑って済ませられる金額の範囲で楽しむか、あるいは修理する技術を持っている場合にのみ手を出すのが鉄則です。「安物買いの銭失い」になるリスクも込みで、スリルあるショッピングを楽しむ場所だと割り切りましょう。目利きに自信がない場合は、見るだけにしておくのが無難です。
トイレや水分補給
ベトナム通りには、公衆トイレや休憩所といった設備は基本的にありません。近くのコンビニまで行くには車で移動する必要があり、徒歩圏内にはトイレを借りられる場所がないと考えた方が良いでしょう。そのため、現地に到着する前に必ずトイレを済ませておくことが非常に重要です。
また、沖縄の日差しは強烈です。日陰になる場所も少ないため、夏場は熱中症対策が必須となります。自動販売機はいくつかあるかもしれませんが、売り切れの場合もあるため、飲み物は持参することをおすすめします。帽子や日傘、タオルなどの準備も忘れずに。体調が悪くなっても休めるベンチなどはないので、無理をせず、短時間で切り上げるくらいの計画で訪れるのが良いでしょう。
周辺のおすすめスポット
ベトナム通りだけを目的に行くと、意外と早く見終わってしまったり、開催していなかった場合に手持ち無沙汰になったりするかもしれません。そこで、周辺にある合わせて立ち寄りたいスポットを紹介します。これらを組み合わせることで、沖縄中部エリアの観光プランがより充実したものになります。
東南植物楽園
ベトナム通りのすぐ近くにある、県内最大級の屋外植物園です。広大な敷地に熱帯・亜熱帯の植物が生い茂り、南国情緒満点の風景が広がっています。ベトナム通りのカオスな雰囲気とは対照的に、手入れが行き届いた美しい自然に癒されることができます。カピバラやリスザルなどの動物と触れ合えるエリアもあり、家族連れにも大人気です。
週末には夜間のイルミネーションイベントなどが開催されることもあり、昼はベトナム通りと植物園、夜はイルミネーションといった一日がかりのプランも組めます。レストランやお土産屋も充実しているので、ベトナム通りにはない「快適さ」を補完する意味でも最適な立ち寄りスポットです。
知花ゴルフコース
米軍基地「嘉手納基地」の管轄下にあるゴルフ場ですが、一部の施設は日本人一般客も利用可能です。特に併設されているレストランやスナックスタンド(知花ゴルフコース・スナックバー)は、アメリカンな食事を楽しめる穴場として知られています。
ここでは、ボリューム満点のハンバーガーやピザ、ホットドッグなどをドルだけでなく日本円でも購入できます(レートは変動あり)。ベトナム通りで歩き疲れた後に、アメリカンな朝食やランチを楽しむのはいかがでしょうか。基地の中には入れなくても、フェンスの向こう側のアメリカの空気を感じながら食事ができる、貴重な体験スポットです。
倉敷ダム
ベトナム通りからさらに奥へ進むと、倉敷ダムがあります。ここは水と緑に囲まれた親水公園として整備されており、ダム湖を眺めながら散策することができます。綺麗に整備された遊歩道や、水遊びができるエリアもあり、地元の子供連れで賑わっています。
ベトナム通りの雑踏から離れて、静かな場所で一息つきたい時に最適です。展望台からは沖縄本島の中部エリアを一望でき、天気の良い日は素晴らしい景色が楽しめます。お弁当を持ってピクニックをするのにも良い場所なので、ベトナム通りで買った謎の惣菜(自己責任で!)をここで広げる、なんていうのも旅の思い出になるかもしれません。
まとめ
沖縄の「ベトナム通り(白川フリーマーケット)」は、青い海や白い砂浜といった典型的なリゾートのイメージとはかけ離れた、埃と熱気にまみれた場所です。しかし、そこには飾らない沖縄の日常と、歴史の層が積み重なった独特の風景が広がっています。何が売られているかわからないワクワク感、異国情緒あふれるカオスな雰囲気、そして時折見つかる掘り出し物。これらは、整備された観光地では決して味わえない体験です。
ただし、そこはあくまで地元の人々の生活の場であり、ルールやマナーを守ることが大前提です。写真撮影や駐車場所には十分配慮し、謙虚な気持ちで「お邪魔させてもらう」スタンスを忘れないようにしましょう。早起きをして、スニーカーを履き、小銭を用意して、この不思議な迷宮へ足を踏み入れてみてください。きっと、あなたの知らない沖縄の顔に出会えるはずです。次の週末は、少し冒険してみませんか?
[沖縄裏観光スポット!!朝から地元の方が集まるベトナム通りは異国情緒満載のマーケット?!散策だけでもローカルな沖縄を楽しめます。朝早いので観光スケジュールにも影響ないのでは…?!](https://www.youtube.com/watch?v=G_VDL0XndD8)
今回紹介したベトナム通りの独特な雰囲気や、実際にどのような商品が並んでいるのかを映像で確認できるため、訪問前の予習として非常に参考になります。

